山口県でとび・土工・コンクリート工事業の建設業許可
山口県でとび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を取得したい!!
許可を取ることは難しいのか?許可を取れなくても大丈夫なのか?
疑問を解決してみたいと思います。
なお、本記事は一般建設業許可についての記述です。
そもそも建設業許可の要件は?
建設業許可の要件を簡単にまとめると以下のようになります。
- 経営管理者がいること
- 専任技術者がいること
- 適切な社会保険に加入していること
- 請負工事に関して誠実性があること
- 欠格要件に該当しないこと
- 財産的基礎を有していること
あえて付け足すなら7.営業所の要件を満たしていること。
建設業許可と言っても29業種あり、要件を満たせた業種について許可がでます。
詳細は⇒山口県で建設業許可を取りたい!! – 行政書士藤本啓志事務所 (fujimoto-gyoseishoshi.com)
とび・土工・コンクリート工事とは?
とび・土工・コンクリート工事とはどのような工事のことをを言うのでしょうか?
ご存知の方も多いと思いますが、とび・土工・コンクリート工事業は
多くの工事が該当します。
大きな括りでは下記のような工事が該当します。
- 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による
運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事 - くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
- 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
- コンクリートにより工作物を築造する工事
- その他基礎的ないしは準備的工事
非常に多くの工事が該当しており実務経験を積みやすく見えます。
とび・土工・コンクリート工事で許可が必要になる工事
1件の工事の請負代金が500万円以上(消費税、材料費込み)であって
具体的には下記工事に該当する場合に必要となります。
なお、一部工事において他28業種との区別の検討が必要となります。
- とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物のクレーン等による
揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事 - くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
- 土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
- コンクリート工事、コンクリート打設工事、
コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事 - 地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、
土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、
道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、
はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事
土木一式工事と土工工事は別物
土木一式工事と土木工事は名前が似ています。
しかも、実際に行っていることは同じに見えることもあります。
しかし、土木一式工事と土工工事は別物です。
例えば、外構工事のみを500万以上で請負った場合、
とび・土工・コンクリート工事の建設業許可が必要です。
土木一式工事とは原則元請けとして総合的な企画、指導、調整のもとに
土木工作物を建設する工事を言います。
貴社の請負う工事は総合的な企画、指導、調整のもとに
土木工作物物を建設する工事と言えるでしょうか?
多くの場合、下請けとして土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事や
その他基礎的ないしは準備的工事などの専門工事ではないでしょうか?
また、元請けとして工事をしても全ての工事が
土木一式工事となるわけではありません。
つまり、世間一般の認識する土木工事の多くは土木一式工事ではありません。
とび・土工・コンクリート工事で建設業許可を取得するには
専任技術者の要件をとび・土工・コンクリート工事で満たしたうえで
他の建設業許可の要件を満たせば取得可能です。
端的に文字にすると簡単に聞こえますが、詳細は下記の通りです。
経験・技術の証明
- 国家資格等をもっていること
- 必要な工事経験を有していること
- 国土交通大臣が1又は2と同様以上の
知識及び技術又は技能を有すると認める者
1.国家資格等を持っていること
これが一番簡単です。
2.必要な工事経験を有していること
大学で指定学科を卒業している⇒3年
高校で指定学科を卒業している⇒5年
指定学科を卒業していない ⇒10年
令和5年7月1日から要件が緩和されます
⇒一般建設業許可の専任技術者要件緩和 – 行政書士藤本啓志事務所 (fujimoto-gyoseishoshi.com)
とび・土工・コンクリート工事における指定学科は
土木工学又は建築学に関する学科です。
3.国土交通大臣が1又は2と同様以上の知識及び
技術又は技能を有すると認める者
これはほぼないです。
考える必要はあまりありません。
常勤であり専任であること
専任技術者となる方が無期雇用で常勤で専任である必要があります。
これはアルバイト等ではダメ、通勤困難な場所に住んでいてはダメ、
専任の宅地建物取引士等他の専任性のあるものであってはダメ。
最もシンプルなのは正社員として雇用しており、
他の専任性のあることをしていない人です。
ちなみに、経営管理者が専任技術者を兼ねることは可能です。
とび・土工・コンクリート工事で建設業許可取得は難しいのか
そもそも、建設業許可を取得することは簡単ではありません。
ですが、とび・土工・コンクリート工事で建設業許可を取得することは
29業種の中では比較的難易度は低めです。
多くの資格がとび・土工・コンクリート工事業の専任技術者の要件を満たします。
また、多くの工事が実務経験として認められます。
実務経験で取得しようとする場合に問題になるのは証明書類が残っているかです。
残念ながら、この業種ではあまり書類が残っていないイメージがあります。
可能ならば資格を取得して許可を取りたいところです。
とび・土工・コンクリート工事の専任技術者になれる資格
- 1級建設機械施工技士
- 2級建設機械施工技士 (第1種~第6種)
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士(土木)
- 2級土木施工管理技士(薬液注入)
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(躯体)
- 技術士 建設 ・ 総合技術監理(建設)
- 技術士 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・
総合技術監理 (建設 「鋼構造及びコンクリート」 ) - 技術士 農業 「農業土木」 ・ 総合技術監理 (農業 「農業土木」 )
- 技術士 水産 「水産土木」 ・ 総合技術監理 (水産 「水産土木」)
- 技術士 森林 「森林土木」 ・ 総合技術監理 (森林 「森林土木」)
- 技能検定 型枠施工※
- 技能検定 とび・とび工※
- 技能検定 コンクリート圧送施工※
- 技能検定 ウェルポイント施工※
- 登録地すべり防止工事試験 合格後1年以上の実務経験が必要
- 登録基礎ぐい工事試験
- 登録橋梁基幹技能者
- 登録コンクリート圧送基幹技能者
- 登録トンネル基幹技能者
- 登録機械土工基幹技能者
- 登録PC基幹技能者
- 登録鳶・土工基幹技能者
- 登録切断穿孔基幹技能者
- 登録エクステリア基幹技能者
- 登録グラウト基幹技能者
- 登録運動施設基幹技能者
- 登録基礎工基幹技能者
- 登録標識・路面標示基幹技能者
- 登録土木基幹技能者
- 登録圧入工基幹技能者
※技能検定の場合等級区分が2級の場合は、合格後3年以上の実務経験を要する。
ただし、平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上。
経験の証明の難しさ
専任技術者になるための経験の証明はどのようにすればよいのでしょうか?
必要な書類は下記の通りです。
- 契約書
- 注文書
- 請書
上記で確認不可な場合、請求書と入金確認ができるもののセット。
他にも一部例外はありますが割愛します。
そして、大事なことですが、山口県では1ヶ月に1件の証明が必要となります。
つまり、10年経験では120ヶ月分の証明が必要です。
ただし、連続している必要はなく、通算で大丈夫です。
しかし、現場の事態として書面のやり取りをせずに
工事を実施しているケースも少なくなく証明する書類を
用意することは容易なことではありません。
山口県でとび・土工・コンクリート工事の建設業許可取得まとめ
山口県でとび・土工・コンクリート工事で建設業許可を取得するために
必要なことをものすごく荒く簡単にまとめると
- 経営管理者がいること
- 専任技術者がいること
- 適切な社会保険に加入していること
- 請負工事に関して誠実性があること
- 欠格要件に該当しないこと
- 財産的基礎を有していること
そして、山口県では専任技術者の経験の証明は1ヶ月に1件の証明が必要で
契約書・注文書・請書で行います。
なければ、請求書と入金確認書類のセットが必要です。
必要な年数は指定学科卒業で大学は3年、高校は5年、
指定学科を卒業していないと10年必要です。
10年だと120ヶ月分です。
山口県でとび・土工・コンクリート工事で許可を目指すなら
とび・土工・コンクリート工事を経験で専任技術者の要件を満たそうとすると
多くの資格や工事やが該当することがわかったと思います。
しかし、実務経験で取得しようとした場合、
実際に経験を積んでいたとしても証明しなければなりません。
しかも、10年経験を証明しようとした場合に確定申告を
青色申告で行っていても7年が書類等の保存期間とされています。
では、10年分の書類が手元にありますでしょうか?
これはなかなか厳しい問題です。
山口県でとび・土工・コンクリート工事の建設業許可を実務経験で
取得しようとすると難易度は上がります。
なお、認められる資格を持っていると楽に証明が可能であるため
可能ならば資格があるとよいです。
建設業許可に強い行政書士へ依頼してしまうのも手
そもそも建設業許可を取得することは簡単ではありません。
今回、専任技術者の部分を中心に説明しておりますが、
他の要件も満たさなければなりません。
そして、書類にも書き方が細かく指定されており、
何度も補正指示を受けてしまうことは想像に難くありせん。
建設業許可に強い行政書士ならば書類作成についてスムーズに
進めてくれますし、必要な書類等の案内もしてくれます。