山口県の一般建設業許可を取る要件とは?
山口県で建設業許可を取りたい‼
取らなきゃいけなくなった。
建設業を営んでいるとそんなタイミングが来ることがあります。
どの種類の建設業許可を取得する必要があるかについては
下記ページにて簡単に説明しております。
⇒建設業許可 – 行政書士藤本啓志事務所 (fujimoto-gyoseishoshi.com)
ここでは、いざ知事の許可を取得するための要件を説明していきます。
一般的には下記1~6までとされますが、あえて7を入れています。
- 建設業の経営業務の管理を適正に行う能力があること
- 適切な社会保険に加入していること
- 営業所に専任技術者が置いていること
- 請負契約において誠実性を有していること
- 請負契約を履行するに足りる財産的基礎等を有していること
- 欠格要件に該当しないこと
- 営業所の要件を満たしていること
証明の必要性
ここで大事になるのは要件を満たしていること『証明』できることです。
審査するのは自社の人間ではありません。
客観的に見たときに要件を満たしていることが証明できなければ、
要件を満たしていないのと同じです。
以下では要件をもう少し詳しく説明していきます。
なお、よくあるパターンのみの説明になりますので、
本記事に該当しないからと言って建設業許可が取れないと
必ずしも言い切れません。
詳細については手引きや法令等をご確認いただく必要があります。
1.建設業の経営業務の管理を適正に行う能力があること
これは常勤役員等が建設業の経営業務の
管理責任者の経験を5年以上の経験があることです。
では、経営業務の管理責任者とは?
例えば、役員、事業主、支配人、
建設業法上の支店長、営業所長などです。
これらの経験を証明する方法の例は以下の通りです。
建設業の経験を証明する書類
経験していた事業で建設業許可を取得していた場合
- 建設業許可通知書(写し)
- 受付印の押印された建設業許可申請書(写し)
経験していた事業で建設業許可を取得しなかった場合
- 契約書、注文書、請書、請求書
経験期間に工事実績がない場合
【法人】
- 法人税の確定申告書(写し)
【個人】
- 所得税の確定申告書(写し)
経験をしたときの地位、事務内容及び経験期間を証明する書類
【役員】
- 商業登記簿謄本(経験期間の確認が取れるもの)
【事業主】
直近の確定申告以前
- 確定申告(必要年数分)
直近の確定申告以降
1~3の順に優先順位が高く、上位のものが提示できる場合下位のものは不要
- 源泉徴収の状況がわかる書類(必要期間分)又は
住民税特別徴収の状況がわかる書類及び領収書(必要期間分) - 契約書、注文書・請書+基本契約書、注文書・請書+基本契約約款
- 建設工事の請負にかかる注文書、請書、請求書
請求書の場合、併せて入金が確認できるものも提示
【支配人】
- 商業登記簿謄本(経験期間の確認が取れるもの)
【営業所長】
建設業許可を得ていた場合
受付印の押印された許可申請書又は
変更届出書(営業所及び令第3条に規定する使用人の記載があるもの)(写し)
建設業許可を取得していない場合
建設業の契約締結権限が委任されていることが分かる委任状等(写し)
現在の常勤性の証明
必要な書類がパターンにより異なります。
下記を参考にしてください。
①~③は①が優先度が高く、優先度が高いものがないときに下位書類を用意します。
①が用意できる時には②③は不要です。
2.適切な社会保険に加入していること
申請者において、加入義務がある場合に
適切な社会保険に加入している必要があります。
適切な社会保険に加入していることを証明する書類
健康保険・厚生年金保険
以下のいずれかの書類が必要です。
- 申請時の直前の健康保険及び厚生年金保険の保険料の
「領収証書又は納入証明書」の写し - 「標準報酬額決定通知書」の写し
- これらに準ずる書類
雇用保険
以下のいずれかの書類が必要です。
- 申請時の直前の「労働保険概算・確定保険料申告書」の控え
- 「労働保険概算・確定保険料申告書」により
申告した保険料の納入に係る「領収済通知書」の写し - これらに準ずる書類 (注)雇用保険の適用状況が確認できるものに限る
3.営業所に専任技術者が置いていること
営業所ごとに専任技術者を置く必要があります。
誰でもよいわけではなく現在の常勤性がある者である必要があります。
一般建設業許可と特定建設業許可とで要件がが異なりますが、
ここでは一般についてのみ記載します。
専任技術者の資格要件は以下の通りです。
- 許可を受けようとする建設業の指定の資格を有する者
- 指定学科の学校を卒業し必要な実務経験があること
- 10年以上の実務経験者
令和5年7月1日から要件が緩和されます。
⇒一般建設業許可の専任技術者要件緩和 – 行政書士藤本啓志事務所 (fujimoto-gyoseishoshi.com)
施工管理技士試験の1次試験に合格すると試験に応じた指定学科卒業と同等とみなされます。
専任技術者の証明書類
【資格者】
資格合格の合格証明書や免状、登録証などの原本
それぞれの業種における必要な資格⇒こちら
※資格取得と実務経験が必要なものもあります。
例)第2種電気工事士は3年の実務経験が必要
【学校卒業と実務経験】
- 卒業証明書
- 契約書、注文書、請書
上記、契約書、注文書、請書がない場合は下記にて証明
- ・請求書(併せて通帳、領収書、預金取引明細票等で
入金確認が取れるものも提示) - 経営事項審査の完成工事高整理表の原本
(表紙等に山口県の受付印が押印されているものに限る。)
≪過去実務経験を認められたことのある方≫
- 実務経験証明書
(申請書の表紙等に山口県の受付印があるものに限る。)
実務経験の必要年数
大学(短大含む)・専門学校(高度専門士取得)・
専門学校(専門士取得)高等専門学校
⇒3年以上の実務経験
高等学校・中等教育学校・専門学校(専修学校専門課程)
⇒5年以上の実務経験
指定学科
実務経験の証明
経験年数のための各証明書は1ヵ月に1件程度の従事実績が確認されます。
証明書を積み上げていき必要期間となるまで確認します。
経験期間が重複しているものは二重に計算しません。
1つの業種に関する経験期間は他の業種と重複できませんが、
技術的に関連した業種は、実務経験の通算が認められます。
※日本国内での経験に限ります。
※単に建設工事の雑務のみの経験年数は含まれません。
電気工事及び消防施設工事については
免状を交付されていない期間は参入できません。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律の
施行後は、解体工事業の登録がない期間を参入出来ません。
専任技術者の現在の常勤性の証明
必要な書類がパターンにより異なります。
下記を参考にしてください。
①~③は①が優先度が高く、優先度が高いものがないときに下位書類を用意します。
①が用意できる時には②③は不要です。
4.請負契約において誠実性があること
対象
法人:当該法人・役員等・政令で定める使用人
個人:本人・政令で定める使用人
内容
請負契約に関して「不正」又は「不誠実」な
行為をするおそれが明らかでないことが必要です。
不正な行為とは
請負契約の締結又は履行の際における
詐欺、脅迫、横領、文書偽造等、法律に違反する行為
不誠実な行為とは
工事内容、工期、天災等不可抗力による
損害の負担等について請負契約に違反する行為
5.請負契約を履行するに足りる財産的基礎等を有していること
財産的基礎を有しているとは?
下記いずれかに該当する必要があります。
- 自己資本の額が 500 万円以上であること
- 500 万円以上の資金調達能力を有すること
- 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
自己資本とは?
法人
貸借対照表における純資産合計の額
個人
期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計から
事業主貸勘定の額に負債の部に計上されている
利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額
資金調達能力とは?
500 万円以上の資金についての取引金融機関の預金残高証明書(原本)
- 証明書発行日現在の残高であること
(発行日現在の残高を発行できない場合は、発行日に可能な限り近い日現在のもの) - 複数の口座の残高を合計する場合は同一日付であること。
- 証明書発行日が申請日の1か月以内のものであること。
500 万円以上の資金についての取引金融機関の融資証明書(原本)
- 証明書発行日が申請日の1か月以内のものであること。
※固定資産評価証明書の評価額は、財産的基礎の確認資料とは認められません。
6.欠格要件
以下に該当する場合許可が受けれません。
- 許可申請書、添付書類中に重要な事項について
虚偽の記載若しくは重要な事実の記載が欠けている場合 - 次のいずれかに該当の場合
※一定の法令
- 「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」の規定
(同法第32条の3第7項及び第32条の11第1項の規定を除く) - 「刑法(明治40年法律第45号)」第204条(傷害罪)、
第206条(現場助勢罪)、第208条(暴行罪)、
第208条の2(凶器準備集合罪)、第222条(脅迫罪)又は第247条(背任罪) - 「暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)」
- 建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、
労働基準法、職業安定法、労働者派遣法の規定で政令で定めるもの
7.営業所の要件を満たしていること
建設業の営業所とは?
本店又は支店若しくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。
また、これら以外であっても、他の営業所に対して
請負契約に関する指導監督を行うなど、
建設業に係る営業に実質的に関与する場合も、「営業所」に該当します。
しかし、単に登記上本店とされているだけで実際には
建設業に関する営業を行なっていない支店、営業所等及び建設業とは無関係な支店、
営業所等は、「営業所」には該当しません。
営業所の要件
- 請負契約締結等の実体的な実務を行う場所であること。
- 事務所としての備品(例:電話、机、パソコン、各種台帳)などを備えていること。
- 営業所として使用する権限(所有または賃借)を有していること。
- 看板、標識等により外部からそこが建設業者の
営業所であると判断可能な状態であること。 - 建設業法施行規則第7条第1号に規定する常勤役員等
(又は建設業法施行令第3条に規定する使用人)
及び常勤役員等を直接に補佐する者並びに専任技術者が常勤していること。
営業所調査
建設業許可申請の審査時において、書類審査だけではなく
営業所への実地調査(営業所調査)を実施します。
調査では、営業所の要件や常勤役員等の常勤性等を確認します。
以下の書類等を用意してください。
営業調査に必要な書類
- 出勤簿(直前3ヶ月分)
- 賃金台帳または給与明細(直前3ヶ月分)
- 健康保険証
- 確定申告書・決算書
- 工事台帳
- 工事請負契約書、請書・注文書
- 事務所の所有関係を証明する書類
①自己所有の場合
登記簿謄本または固定資産台帳
②借りている場合
賃貸契約書
自動継続の場合は契約継続の証明か領収書
※その他、必要な書類等があれば営業所調査実施前に連絡があります。
※郵送の場合には、営業所のある建物の外観、入口付近、営業所の内部及び
営業所に掲げる標識が掲示されていることがわかる写真を送付してください。
※郵送の場合、営業所の使用権原については、自己所有又は賃貸借等の
いずれか該当するものを記載してください。
※2022年現在、新型コロナウイルスの影響により営業所調査は行われていません
申請書提出時に併せて営業所調査に必要な書類を提出します。
営業所の写真も提出が必要です。
許可申請手数料
許可申請には、所定の申請手数料が必要です。
手数料は、一般建設業、特定建設業別にそれぞれ納入が必要です。
行政書士に依頼する場合は別途報酬が必要になります。